【長期配信】金融機関におけるデータ利活用の推進に向けた実効性のあるモデル・リスク管理と非伝統的な領域への適用におけるポイント

受講区分 オンライン
開催日時 2024-01-31(水) 13:00~13:00
講師 EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社
シニア・マネージャー
楠戸 健一郎 氏
マネージャー
川口 達也 氏

【楠戸 健一郎 氏】
(くすど けんいちろう)
経歴:コンサルティング会社を経て、2021年4月EYストラテジー・アンド・コンサルティングへ入社。アカデミア・ビジネスにおいて10年以上にわたる、データ分析・シミュレーションの経験。金融機関向けに、収益管理・信用リスク管理、またそれらを基にした業務改善コンサルティングサービスに多く従事。金融機関におけるAI・機械学習推進において、CoE組織構築・推進支援や、リスク管理、マーケティング、債権管理、不正検知、架電効率化など幅広いテーマにおいて、課題発掘から業務適用・検証までアナリティクスプロセス全体を通して活用支援を実施してきた。最近では、モデル・リスク管理態勢構築やコンプライアンス領域等非伝統的な領域を含むモデル検証等の実務対応、AI倫理対応等のAI・機械学習モデルに対するモデルガバナンス対応に関するサービス開発・提供にも従事している。
東京大学情報理工学系研究科博士課程修了 博士(情報理工学)

【川口 達也 氏】
(かわぐち たつや)
経歴:SIerにて、金融機関向けのシステム開発(信用リスク管理や与信管理、DWH構築等)の経験を経て、2018年1月EYアドバイザリー・アンド・コンサルティング(現EYストラテジー・アンド・コンサルティング)へ入社。金融機関に対し、バーゼル規制に係る包括的なコンサルティングサービス(規制対応のための社内態勢整備、業務構築、及びシステム開発に係る支援)を提供。自己資本規制から流動性規制までバーゼル規制全般をカバーする。また、RDA(BCBS239)対応や市場性運用における限度額設定等の支援にも従事。最近では、モデル・リスク管理態勢構築の支援やAI倫理対応等のAI・機械学習モデルに対するモデルガバナンス対応に関するサービス開発にも従事している。

概要 ※本セミナーは2024/1/30に開催・収録したセミナーの長期配信です。

近年、金融機関においては、従前のリスク管理やプライシング等の伝統的な金融モデルに加えて、いわゆるフィンテックや、AML/CFTや市場監視等のコンプライアンス、気候変動・ESGなど、様々な新しい領域においてモデルの適用とデータの活用が進んでいます。また、いずれの領域においても、業務のデジタル化を背景とした、AI・機械学習モデルが盛んに活用されるようになってきており、これまでと違った管理のあり方が求められてきています。
このように、金融におけるモデルの重要性がますます高まっている中、2021年11月に金融庁から「モデル・リスク管理に関する原則」が公表されました。適用対象のG-SIBsやD-SIBsにおいてはモデル・リスク管理態勢の構築が進んでいる中、適用対象とされていない金融機関や保険会社においても、モデル・リスク管理の意義や将来適用対象となる可能性からその必要性を認識し、態勢構築を検討する動きが見られ、その傾向は今後より拡大していくと考えられます。
一方で、国内外のガイドラインに沿ったモデル・リスク管理態勢構築が進む中、現場(1線、2線)に対する管理負担の増加や非伝統的な領域におけるモデル検証の実施等、新たな課題も見えてきている状況であるといえます。
全社的なモデル・リスク管理を定着させていくためには、自社のモデルの利用状況を把握した上で、モデル利用部署とも双方向のコミュニケーションをとりながら実効性あるルールを構築していくことが重要と考えられます。
また、金融庁ガイドラインでも個別に言及されている「AMLで使われるモデルや市場監視モデル等」に代表されるコンプライアンス関連モデルについては、これまでの伝統的な価格評価や金融リスク評価等とは違った、自然言語処理や機械学習のノウハウを必要とするものが少なくなく、プラクティスを蓄積していくことが重要です。
本講演では、実効性のあるモデル・リスク管理のための具体的なポイントやアプローチについてご説明します。また、非伝統的な領域へのモデル・リスク管理の適用としてコンプライアンス領域のモデル検証の具体的なポイントや課題、生成系AIを含むAIモデル・機械学習モデルのガバナンスについても言及します。

【本セミナーで得られること】
・金融機関におけるモデル・リスク管理の必要性
・実効性のあるモデル・リスク管理(デザイン面と運用面)における課題と対応策のポイント
・非伝統的な領域(コンプライアンス領域)におけるモデル検証の勘所やAI・機械学習モデルのガバナンスの実践におけるポイント

【推奨対象】
銀行・証券会社や保険会社のリスク統括部門、モデル活用部門(DX推進部門、コンプライアンス部門、融資企画部門等)、内部監査部門の責任者・実務担当者
詳細 1.モデル・リスク管理の必要性
(1)モデル・リスクの定義
(2)モデル・リスク管理の重要性と非伝統領域への適用
(3)金融庁ガイドライン「モデル・リスク管理に関する原則」の概要

2.実効性のあるモデル・リスク管理のために
(1)モデル・リスク管理態勢構築の進め方
(2)モデル・リスク管理の制度設計における課題の解決策
  (a)モデル定義における課題:管理対象モデルの把握と線引き
  (b)モデル・リスク格付における課題:納得感のある格付体系
  (c)リスクベース管理における課題:実効性とリスク管理のバランス
  (d)役割・責任の設定における課題:1線の役割・責任の明確化とその規程化
(3)モデル・リスク管理の運用における課題の解決策
  (a)1線:モデルオーナーによる主体的なモデル管理の実践
  (b)2線:リソースや非伝統的な領域のモデル検証スキル等の不足への対応
  (c)3線:内部監査の観点の整理

3.非伝統的な領域におけるモデル管理・検証
(1)コンプライアンス領域におけるモデル管理
(2)コンプライアンス領域におけるモデル検証の実践
(3)コンプライアンス領域における現状や課題

4.AI・機械学習モデルに関するガバナンス
(1)生成系AIを含むAI・機械学習モデルの活用におけるガバナンス
(2)モデル・リスク管理との関連性と融合


~参加業界~
農協、アセマネ、ネット系銀行、その他銀行 他

~受講者の声~
================================
モデル・リスク管理態勢の構築の中で、1線に対しての関与について意識すべきことを学べて参考になりました。

モデル・リスク管理の考え方がわかり、整理できました。全般的な理解をするにあたり、このセミナーが非常に参考になりました。
================================
お問合わせ 株式会社セミナーインフォ  セミナー運営事務局
TEL : 03-3239-6544   FAX : 03-3239-6545   E-mail : customer@seminar-info.jp