「3線モデル」の正しい理解と実践で進めるガバナンスの整備・再構築

~モニタリングモデルへの移行が進む日本のガバナンス改革の次の課題~
受講区分 会場
オンライン
開催日時 2024-03-06(水) 9:30~12:30
講師 日本金融監査協会 設立会員・代表、FFR+代表
CIA、CCSA、CFSA
(元日本銀行 金融高度化センター)
碓井 茂樹 氏

(うすい しげき)
経歴:1983年、京都大学経済学部卒業。日本銀行入行。金融機構局にて、考査、モニタリングに従事した後、2006年より、16年間、金融高度化セミナー等の講師を務めた(開催回数200回以上。参加者数2万人超)。
日本銀行在職中からFFR+「金融工学とリスクマネジメント高度化」研究会を主宰(08年~)。日本金融監査協会を設立(11年~)。ガバナンス改革に向けた提言やガバナンス、リスクマネジメント、監査に関わる高度な人材の育成を支援する活動を継続している(非営利目的の活動)。
資格:公認内部監査人(CIA)、公認金融監査人(CFSA)、内部統制評価指導士(CCSA)
著書:『内部監査入門』、『リスク計量化入門-VaRの理解と検証』(金融財政事情研究会刊)

開催地 カンファレンスルーム(株式会社セミナーインフォ内)
概要 2015年の会社法改正、コーポレートガバナンス・コードの制定を契機に日本のガバナンスはモニタリングモデルへの移行が進みました。ただ、国際標準のガバナンスに照らすと日本のガバナンス改革は道半ばです。
国際社会では、金融危機後、海外の金融機関が信頼を取り戻すため、ガバナンス改革を進め、「3線モデル」を構築し、監督当局が求める以上のガバナンス態勢を整備しました。こうした取り組みは国際的なガバナンス原則の確立に寄与しました。
海外の有力企業・金融機関は、この原則にしたがって、ガバナンス態勢を整備した結果、気候変動問題をはじめ、SDGsへの取り組みを急速に進めることができました。日本はSDGsへの取り組みに関しても出遅れた感があります。
「3線モデル」は、すべての組織体が理念、目標を実現し、価値を創造・保持するためのガバナンスの基盤を提供するものです。不祥事等の防止を目的とする3回チェックではありません。サステナブルな成長のためには、業種・規模にかかわらず、日本企業・金融機関も正しい「3線モデル」の理解にもとづいて、ガバナンスの整備・見直しを図る必要があります。
日本銀行で金融機関のガバナンス態勢の整備・見直しを指導していた講師が、ガバナンス改革の次の課題を解説します。
なお、受講生の興味関心に合わせて、講義の重点を柔軟に変更します。ご質問やご意見はお申し込みの際にご記載ください。また、質疑応答では、個別の問題意識にも可能な限り回答します。後日の意見交換をご希望の方は資料記載の講師連絡先までご連絡ください。

【本セミナーで得られること】
・日本のガバナンスの現状評価
・ガバナンスの国際的な原則
・3線モデルの正しい理解
・日本独自のガバナンスの弱点、問題点
・日本のガバナンスの次の課題

【推奨対象】
金融機関の経営者、取締役・監査役等(社外・社内)、ガバナンス事務局、リスクマネジメント部門、内部監査部門の管理者・実務担当者

詳細 1.日本のガバナンス改革の現状評価
(1)形の上では進むも道半ばのガバナンス改革
(2)激変する経営環境とガバナンス改革の必要性
(3)目指すべき国際的なガバナンス原則

2.国際的なガバナンス原則
(1)膨大な議論と実践を積み上げて確立した国際的なガバナンス原則
(2)1990年代、国際的なガバナンス原則の基礎が固まる
(3)2000年代、さまざまな失敗を教訓に進化した国際社会のガバナンス
(4)エンロン、ワールドコム不正会計事件の教訓
(5)金融危機の後、海外の金融機関が実践した「3線モデル」

3.「3線モデル」の正しい理解
(1)日本では誤解されている「3線モデル」
(2)「3線モデル」は単純な3重チェックではない
(3)すべての組織体の理念、目標、価値の実現のためのガバナンス基盤を提供する

4.日本のガバナンスvs国際的なガバナンス原則
(1)「3線モデル」からみた取締役会、リスクマネジメント、監査の違い
(2)「3線モデル」からの逸脱が目立つ日本のガバナンス
(3) 日本の取締役会、リスクマネジメント、監査の弱点

5.日本のガバナンス改革の次の課題
(1)マネジメントモデルからモニタリングモデルへ
(2)モニタリングモデルを支える「3線モデル」の正しい理解と実践

6.質疑応答
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お問合わせ 株式会社セミナーインフォ  セミナー運営事務局
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